地震直後の行動
地震の時間割
地震発生直後から数日間は、救助活動や生活支援が段階的に進んでいきます。しかし、大規模災害では支援がすぐに届かないこともあります。まずは発生から3日間のおおまかな流れを確認しておきましょう。
① グラッと来たら、まず「身の安全」
かつては「地震だ、火を消せ」と教えられてきましたが、現在は「まず身の安全」が鉄則です。
- 火は自動で止まる:多くのガスメーターは一定以上の揺れで自動遮断されます。
- 火傷のリスクを避ける: 揺れの中での消火活動は、熱湯や油による大怪我に繋がります。
- 基本姿勢: 頑丈な机の下に潜り、脚をしっかり握って頭を守ります。
② 揺れがおさまったら「火の始末」と「出口確保」
大きな揺れが完全に収まったら、次のステップへ移ります。
- 初期消火: 万が一火が出ていても、天井に火が届く前(2〜3分以内)なら消火器などで消し止められます。
- 出口を確保: 建物が歪んでドアが開かなくなる前に、玄関ドアや窓を開けて脱出路を確保します。マンション等で玄関が塞がった場合は、バルコニーの避難ハッチを確認してください。
③ 家族・周囲の安否確認
大きな声で呼びかけ合い、下敷きになっている人がいれば周囲と協力して救助します。
- 連絡の工夫: 災害時は電話が繋がりません。音声通話よりも、LINEやメールなどの文字通信の方がつながりやすい傾向があります。
- 三角通信: 被災地から離れた親戚などを「連絡の中継地点」に設定し、家族間の情報を集約する方法も非常に有効です。
④ 余震・津波への警戒と「避難」の準備
- 津波警報を待たない: 海岸付近では揺れの大小に関わらず、即座に高台へ避難してください。
- 避難のサイン: 家を離れる際は、玄関に「避難先・連絡先」を書いたメモを貼っておくと、安否確認がスムーズです(雨に強い油性マジックを推奨)。
- 通電火災防止:避難前にブレーカーを落とす
避難の基本的な考え方
避難とは危険な場所から安全な場所へ移動することです。避難所へ行くことだけが避難ではありません。自宅が安全な状態であれば、無理に避難所へ移動する必要はありません。危険な場所から離れることが避難の目的です。
場所ごとの行動
地震が発生した場所によって、注意すべき危険(落下物、転倒、パニックなど)は異なります。状況に応じた「正しい身の守り方」を確認しましょう。
■ 建物内・施設での行動
- ビルの中: 高層階は揺れが大きく、長く続きます。コピー機などの重量物が凶器となって動き回るため、机の下に潜りましょう。エレベーター内ではすべての階のボタンを押し、停止した階ですぐに降ります。
- 地下街: 地上より比較的安全とされていますが、パニックによる将棋倒しが最も危険です。壁や太い柱の近くで頭を守り、揺れがおさまった後は係員の指示を待ってください。
- 劇場・映画館: 天井が高いため落下物に注意が必要です。かばん等で頭を守り、座席の間で身を低くします。非常口に殺到せず、落ち着いて行動しましょう。
- デパート・スーパーマーケット: 商品棚からの落下物や陳列棚の転倒に注意します。買い物かごを被ることで頭部を保護できます。
■ 街中・屋外での行動
- ビル街・繁華街: 窓ガラスの破片や看板の落下が最大の脅威です。ガラスは「建物の高さの半分」ほどの距離まで飛散するため、できるだけ建物から離れるか、頑丈な建物内へ避難します。
- 住宅街など: ブロック塀、自動販売機、電柱は倒壊の恐れがあります。また、垂れ下がった電線には絶対に触れないでください。
■ 乗り物・運転中の行動
- 地下鉄・電車の中: 急停車による転倒を防ぐため、つり革や手すりにしっかりつかまります。独断で線路に降りるのは二次災害の恐れがあり、非常に危険です。乗務員の指示を待ちましょう。
- 自動車を運転中: 急ブレーキを避け、左側に寄せて停車します。避難時は「キーをつけたまま」「ドアロックをせず」車を離れます(緊急時の車両移動を可能にするため)。
■ 高層マンションでの暮らし
大地震後はエレベーターが長時間停止し、高層階では生活物資の運搬が困難になることがあります。そのため、最低1週間分以上の水・食料・簡易トイレなどを備蓄しておきましょう。
大地震後の強い地震への警戒
大地震の後には、さらに大きな地震や、同規模の地震が続くことがあります。
2016年の熊本地震では、最初の地震(マグニチュード6.5)の28時間後に、さらに大きなマグニチュード7.3の地震が発生した。この最初の地震は、後に「前震」であったこととされています。
同様の現象は、宮城県北部連続地震(2003年)や新潟県中越地震(2004年)でも起きている。
最初の地震で建物がダメージを受けている場合、次の地震で倒壊する危険があります。そのため、安全な場所にとどまるか、より安全な場所へ避難することを心がけましょう。
・震災発生から3日間の行動チャート
地震発生後72時間の流れや、備蓄・在宅避難の考え方を解説。
・地震を理解するための基本
地震の仕組み・震度・速報の基礎をわかりやすくまとめています。
・避難所の基礎知識と運営
避難所の役割や運営方法、避難生活の基本を紹介します。
※ 本ページは、日本防災士機構発行の『防災士教本(2025年度版)』などを参考に、当サイトの視点で再構成・解説しています。
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