ホテルで身支度を整え、カメラバッグを肩にかけて夜の長崎の街へ。
ここからはいよいよ、今回の旅の大きな目的のひとつ──稲佐山の夜景撮影です。
ホテルのフロントで、稲佐山の行き方を聞き、バスで向かいます。
ロープウェイのチケット売り場で目に入ったのが、
「2012年 世界新三大夜景」「2015年 日本新三大夜景」という文字。
自然と期待値が上がってしまいます。
これから山頂展望台がどんな景色を見せてくれるのか、ワクワクしてきます。
海外の方と一緒にロープウェイに乗り、山頂へ向かいます。
ロープウェイでは案内アナウンスが流れ、窓の外には少しずつ夜景が広がっていきます。山頂駅から展望台まで少し歩いて移動し、全景が現れた瞬間、思わず夢中でシャッターを切っていました。

撮影に集中していた時、隣の家族の「ねぇ、あそこにハートマークない?」という声が耳に入る。振り向いてみても、自分には何も見えない。
でも、子どもの「絶対あった!」という言葉が気になって撮影データを見返してみると…
そこには確かに、夜景の中に“ハート型のライトアップ”の光が写っていました。

思わず、「さっきまで、ハートが点灯していましたよ」と声をかけてしまう。
人に話しかけるタイプじゃない自分には、めずらしい出来事でした。
しばらくすると、再びハートが点灯。ちょっとした盛り上がって、なんだかほっこりしました。
街の反対側は本来なら海が広がっているのですが、この時間帯は真っ暗で見えず残念。
次回は夕方から狙ってみたいところです。

ホテルに戻るとすっかり疲れていて、そのまま眠りにつきました。
翌日。
起きてすぐテレビをつけ、天気を確認します。
というのも今日は、計画段階から何かとハラハラしていた軍艦島上陸ツアー当日です。
軍艦島(端島)までは、小型船で長崎湾を出て大海原へ向かうので、どうしても緊張します。
しかも一人参加。船酔いしないかと思うと、不安しかない……。
とりあえず、軍艦島上陸ツアーの受付がある場所へ路面電車で向かいました。最寄り駅で降りると、港にはまるでビルかと思うほど巨大な海外の高級クルーズ船が停泊していました。「これに乗れたら揺れなさそうだな」と思いながら、受付へ向かいます。

受付を済ませると、出発まで自由行動とのこと。受付に併設されているミュージアムを見たり、近くのグラバー通りを散策したり、大浦天主堂や旧グラバー邸の周辺まで足を伸ばしたりして時間を過ごしました。見学時間は十分あったのでしょうが、このときの精神状態ではあまり楽しむ余裕はありませんでした。その後、コンビニでおにぎりを買い、酔い止めを飲んで出発を待ちます。
時間になり、ツアーの船に乗り込みました。
船が湾内を進んでいると、遅れていた前のグループの上陸ツアー船が横を追い越していきました。そのタイミングで横波をまともに受け、船が大きく揺れます。一気に不安が押し寄せ、「これは絶対に酔う…」と覚悟したほどでした。
船内では、スタッフの方による丁寧な軍艦島の説明を聞きながら進みます。40分ほど進んだころ、ついに軍艦島が見えてきて、少し安心しました。その後、軍艦島の周囲をぐるりと回り、約20分間かけて島の眺望を楽しませてくれました。

うやく、軍艦島・端島へ上陸することができました。まずは第一見学広場から見学が始まり、島での生活についてたくさんの話を聞くことができました。
当時、この島では日本でもトップクラスの裕福な暮らしが営まれていたそうですが、台風のときには8階建てビルを超える高さの波が押し寄せることや、超高速エレベーターで地下の仕事場へ移動していた話を聞けば聞くほど正直ビビってしまい、「自分には絶対無理だ」と確信しました。どれだけリッチな暮らしができても、この仕事だけは自分には向いていない、と強く感じました。

第三見学広場までの説明が終わり、一番有名な30号棟の写真を撮っていたところ、スタッフに「次の上陸ツアーのグループが迫っているので、急いで船に戻ってください。出航時間が迫っています」と声をかけられました。ちょっと急かされる感じもありましたが、それもまたイベントのようで楽しかったです。
帰りは港まで直行で、約40分ほどの航海でした。こうして無事に軍艦島上陸ツアーは終了しました。
次回、ついに長かった旅行も終わりを迎えます。果たして無事に東京へ戻れるのでしょうか?


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