津波への備えと避難行動の基本
事前にできること
津波に対しては、「地震の揺れを感じたとき」や「大津波警報などが発令されたとき」に、一刻も早く高い安全な場所へ避難することが必要です。
海岸に近い地域に住んでいる場合や、仕事・旅行などで訪れている場合は、日頃から「もし今津波が来たらどこへ避難するか」を意識しておくことが大切です。避難場所や避難ルートはどうなっているか、徒歩で登れるか、安全な場所までの所要時間はどのくらいかをあらかじめ確認しておきましょう。
街を歩いているときも、津波避難場所や津波避難ビルがどこにあるかを目で確認しておくと安心です。
家庭や職場にいる場合は、すぐに避難できるよう、懐中電灯やラジオ、飲料水などの非常持ち出し品を手近にまとめておくとよいでしょう。
津波避難の要点
- 揺れを感じたり、津波注意報・津波警報を見聞きしたら、海岸や河口、川沿いから離れ、できる限り高い場所へ避難する。
- 高台が遠い場合は、近くの津波避難タワーや津波避難ビルへ避難する。
- 津波避難タワーや避難ビルが近くにない場合は、鉄筋コンクリート造など頑丈な建物の3階以上へ避難する。
- 可能であれば、高台の上部や建物の4階、5階以上など、より高い場所を目指す。
- 倒壊家屋や流されてくる木材、車両などを想定し、より安全な場所や建物を選ぶ。
- 地下街や地下室からは速やかに離れ、地上へ避難する。
- 周囲に「津波が来る、避難しよう」と大声で呼びかけ、率先して避難する。
- 可能な範囲で災害時に配慮が必要な人の避難を手助けする。ただし自分の身の安全を最優先とする。
- 車の使用は状況を見て判断し、渋滞で避難が遅れる行動は避ける。
- 津波は何度も押し寄せるため、津波警報が解除されるまで安全な場所にとどまる。
- 非常持ち出し品は、すぐに持ち出せるようコンパクトにまとめておく。
これらの行動を身につけるためには、日頃から津波避難訓練を行っておくことが有効です。
津波ハザードマップを確認し、複数の避難経路を想定しておくことや、避難にかかる時間を把握しておくことが役立ちます。地震による停電を想定し、夜間の避難訓練を行っておくのも一つの方法です。
また、冬期は道路の凍結や積雪により避難が難しくなることがあります。津波で衣服が濡れると低体温症の危険が高まり、高齢者では体調を崩すおそれもあります。
そのため、できるだけ早く避難して体を濡らさないことや、寒さをしのげる避難場所の確保、停電時でも暖を取れる備え、温かくエネルギーのある食事の準備など、季節を意識した対策も重要になります。
寒冷な環境での支援活動やボランティア活動では、体調管理がより大切になります。無理をせず、自身の健康状態に注意しながら行動することを心がけましょう。