台風と高潮のしくみと被害の特徴

台風の特徴と台風情報

台風は、大雨・暴風・高潮などさまざまな災害を引き起こします。台風の特徴や情報の見方を理解することで、早めの備えや適切な避難行動につなげることができます。
台風は、主に夏から秋にかけて日本列島に接近や上陸し、大雨や強風などの大きな気象災害をもたらします。太平洋赤道付近の暖かい海水によって積乱雲が発達し、それが回転しながら強まり、強い雨と風を伴う熱帯低気圧となったものが台風です。

北半球の台風は、西へ進みながら北上し、日本に近づくと偏西風の影響で進路を北東に変え、速度を速めることが多くなります。また、台風の進路には太平洋高気圧も大きく関係しており、台風はその縁に沿うように移動します。

台風接近前の準備

台風や大雨は、地震と異なり事前に予測ができる災害です。気象情報やハザードマップを正しく活用し、空振りを恐れず「早め」に動くことが被害を最小限に抑えます。

🕒 台風・大雨:備えのタイムライン
数日前:【注意】 早期注意情報の確認、屋外の片付け、備蓄品のチェック。
直前:【警戒】 キキクルの確認。レベル3発令で高齢者は避難開始。家財の2階移動。
発生時:【命を守る】 レベル4で全員避難。外が危険なら「垂直避難」で身を守る。

台風接近時の対策(強風への備え)

台風が近づく前に、屋外の飛散防止対策を完了させましょう。

  • 屋外の片付け: 植木鉢、物干し竿、ゴミ箱などは室内に入れるか、重りでしっかり固定します。
  • 固定の徹底: 自転車や物置など、屋内に入れられないものはロープ等で固定します。
  • 「吹き返し」への警戒: 台風の目に入って一時的に風が弱まっても、直後に激しい「吹き返し」が来ることがあります。警報が解除されるまで油断は禁物です。

台風の強さと大きさ

熱帯低気圧の中心部付近で吹く風が、最大風速17.2m/s以上になると、「熱帯低気圧」から「台風」と呼ばれます。台風の「強さ」は最大風速によって区分され、「大きさ」は風速15m/s以上の強風域の半径によって区分されます。

ニュースでは「猛烈な台風」「超大型の台風」などの表現が使われます。これらは気象庁が定めた基準に基づいて区分されています。

階級 最大風速
強い 33m/s(64ノット)以上 ~
44m/s(85ノット)未満
非常に強い 44m/s(85ノット)以上 ~
54m/s(105ノット)未満
猛烈な 54m/s(105ノット)以上
階級 風速15m/s以上の半径
大型
(大きい)
500km以上 ~
800km未満
超大型
(非常に大きい)
800km以上

台風の雨と風

台風では、台風本体の雨雲だけでなく、周囲を流れる暖かく湿った空気の影響で、接近前から雨が降り始めることがあります。

さらに、地形や前線の停滞など複数の条件が重なると、線状降水帯が発生し、記録的な大雨になるおそれがあります。

台風の風は、中心に近づくほど強くなるという特徴があります。
台風の風速は10分間の平均風速を基準にして表されますが、実際には瞬間的に非常に強い風が吹くことがあります。

建物や車、人にかかる風の力は「風圧」と呼ばれ、風速の2乗に比例します。
そのため、風速が2倍になると、風の力は4倍になります。

また、台風の周辺では竜巻やダウンバーストなどの突風が発生することがあり、広い範囲で注意が必要です。

台風が近づく直前に防災対応を始めると、避難や備えが間に合わないことがあります。
台風が近づく前から早めに警戒することが大切です。

高潮被害とその対策

高潮とは、台風や発達した低気圧が近づくことで、海面(潮位)が異常に高くなる現象のことです。日本は周囲を海に囲まれているため、沿岸部では高潮による浸水被害が発生することがあります。

台風の中心付近では気圧が低く、気圧が1hPa下がると海面が約1cm上昇するといわれています。
これを「吸い上げ効果」といいます。

さらに、台風の東側では強い南風が吹き、海水が陸地側へ押し寄せます。
これを「吹き寄せ効果」といい、これらが重なることで海面の水位が大きく上昇します。

また、満潮の時間帯と台風の接近が重なると、高潮が発生しやすくなります。

2018年の台風21号では、大阪湾で高潮による大きな被害が発生し、関西国際空港の浸水など社会インフラにも影響が出ました。

高潮は沿岸部の都市や重要施設に大きな影響を及ぼす災害です。
台風接近時には、高潮情報や避難情報を早めに確認することが大切です。
特に沿岸部では、高潮ハザードマップや避難場所を事前に確認しておくことが重要です。

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※ 本ページは、日本防災士機構発行の『防災士教本(2025年度版)』などを参考に、当サイトの視点で再構成・解説しています。。
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