避難所の基礎知識と運営

避難所とは何か?

避難とは、危険な場所から安全な場所へ移動し、命を守るための行動です。

避難というと避難所へ行くことをイメージしがちですが、それだけが避難ではありません。自宅が安全であれば在宅避難も選択肢となりますし、親戚・知人宅やホテルなどへ移動することも避難に含まれます。重要なのは、「危険な場所から離れること」です。

そのため災害時には、状況に応じてさまざまな避難先が利用されます。なかでも多くの人が混同しやすいのが「避難場所」と「避難所」です。

避難場所と避難所の違い

避難場所と避難所は名前が似ていますが、役割は大きく異なります。

避難場所は、津波や洪水、大規模火災などの危険から身を守るために一時的に避難する場所です。

一方、避難所は住宅の倒壊やライフラインの停止などによって自宅で生活できなくなった人が、一定期間避難生活を送るための施設です。

🧐 避難場所と避難所の違い
🏃‍♂️
指定緊急避難場所(まず逃げる所) 洪水や津波から「一刻も早く命を守る」ための緊急回避先。
🏠
指定避難所(しばらく過ごす所) 家が倒壊したり、戻れない場合に「避難生活」を送る施設。

主な指定避難所の例

指定避難所には学校や公民館などの公共施設が多く指定されています。ただし、自治体によって指定施設は異なります。

  • 小学校・中学校
  • 体育館
  • 公民館・集会所
  • 文化センターなどの公共施設

※避難所は自治体ごとに異なります。事前にハザードマップや自治体ホームページで確認しておきましょう。

 避難先の種類と役割

🏢 避難先の種類と役割
① 避難所 住宅を失った人や被害の恐れがある人が、一定期間「避難生活」を送るための施設です。

例:小・中学校、公民館、体育館などの公共施設。
② 一時避難場所 火災の延焼などの危険から「一時的」に身を守る場所であり、地域の集合場所でもあります。

例:学校グラウンド、公園、神社などのオープンスペース。
③ 広域避難場所 大規模火災の輻射熱から身を守るための広大な場所(目安:10ha以上)。

例:大規模公園、大規模団地、大学キャンパス。

【重要】 避難場所の指定は、災害の種類(地震・風水害・津波など)によって異なる場合があります。日頃から「どの災害のときに、どこへ逃げるか」をハザードマップ等で確認しておくことが重要です。


災害種別図記号(ピクトグラム)による標準化

自治体のハザードマップや避難所案内板では、これらの図記号が使われています。

2016年、避難場所や避難所を全国共通で分かりやすく表示するため、「災害種別図記号(避難場所ピクトグラム)」がJIS規格(JIS Z 9098)として制定されました。

これにより、言葉や国籍に関係なく、図記号を見るだけで対応する災害や避難先を判断できるようになっています。

なぜ「地震」の記号はないのか?

災害種別図記号には、「地震」そのものを示す記号はありません。

これは地震が単独の災害ではなく、

  • 津波
  • 大規模火災
  • 土砂災害
  • 崖崩れ

などの二次災害を引き起こすためです。

そのため地震発生時は、「地震だからこの場所へ避難する」のではなく、その後に発生する危険に応じて避難先を選ぶ必要があります。

  • 津波の危険 → 高台や津波避難場所
  • 大規模火災の危険 → 広域避難場所
  • 土砂災害の危険 → 危険区域外の安全な場所

避難所は避難生活を送る場所であり、避難場所は命を守るために一時的に避難する場所です。災害の種類によって利用する避難先は異なるため、普段からハザードマップや自治体の情報を確認し、自分や家族がどこへ避難するかを決めておくことが重要です。

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※ 本ページは、日本防災士機構発行の『防災士教本(2025年度版)』などを参考に、当サイトの視点で再構成・解説しています。
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