災害が起きると、医療はどうなる?

日常・暮らし

おなかが痛いとき、病院が開いていなかったら。
ケガをしたとき、救急車がすぐに来られなかったら。
こうなったら、あなたはどうしますか?

冒頭から、なにやら物騒な話になりましたが、実は災害が起こると、こうしたことが起こる可能性があります。大きな災害が起こると、広い範囲で、多くの人が同時に病気になったり、ケガをしたりすることがあります。
病院の施設も、普段どおりに機能するとは限りません。救急車や救助にあたる人にも限りがあります。高速道路や鉄道などの交通網が被害を受ければ、薬や医療物資が届きにくくなることもあります。そして、医師や看護師など、医療にあたる人も被災者になることがあります。

はたして、このような状態で、いつもと同じ診療ができるでしょうか?

災害時には、医療を必要とする人が一度に増える一方で、病院や医療従事者、薬や医療機器など、医療を支える資源にも限りがあります。そんな状況の中でも、多くの医療関係者が、できる限り一人でも多くの人を助けようと医療活動を続けています。

だからこそ、私たち自身も、できる範囲で備えておくことが大切です。

例えば、

  • 災害についての知識を身につけ、けがをしない行動をとる
  • 常備薬を用意しておく
  • ばんそうこうや湿布など、普段から使うものを準備しておく

こうした小さな備えが、災害時に限られた医療資源を大切に使うことにもつながります。

災害の影響は、身体だけではありません

災害による影響は、ケガや病気など、身体的なものだけではありません。

大きな災害を経験したことで、強い不安や恐怖を感じたり、災害が起きたときのことを思い出してつらくなったりするなど、心に影響が残ることもあります。

こうした心の変化は、災害直後だけでなく、時間がたってから現れることもあります。

災害などの強いストレスを受けた後に、その体験を繰り返し思い出す、関連するものを避ける、強い警戒心が続くなどの症状が続き、生活に支障が出る状態の一つに「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」があります。

もちろん、災害を経験した人がすべてPTSDになるわけではありません。災害時の医療では、ケガや病気への対応だけでなく、こうした心のケアも大切になります。

もちろん、大きなケガをしたり、病気になったりした場合は、必要な医療を受けるために医療機関を利用することになります。

ただし、災害時の病院では、限られた医療資源をできるだけ有効に使いながら、多くの人に必要な医療を届けることが求められます。そのため、普段なら受けられる医療を、同じように受けられない可能性もあります。

こうした、災害によって普段とは異なる状況になった中で行われる医療が、「災害医療」です。では、限られた医療資源の中で、治療の優先順位はどのように決められるのでしょうか?
次回は、災害医療の現場で行われる「トリアージ」について見ていきます。

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