土砂災害を、すべて防ぐことはできるのでしょうか?結論から言うと、土砂災害を完全に防ぐことはできません。土砂災害は、発生する場所や規模、発生するタイミングなどを、事前にすべて予測することが難しいからです。
では、災害が起こるのを、ただ待っているしかないのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。日本では、土砂災害による被害を少しでも減らすために、ハード面とソフト面の両方から対策が進められています。
土砂災害へのハード対策
まずは、ハード面の対策から見ていきましょう。
ハード面の対策とは、土砂災害が起こるおそれのある場所に施設などを整備し、被害を減らす取り組みです。
たとえば、土石流に対しては、砂防堰堤(砂防ダム)などを設置し、山から流れてくる土砂や大きな石、流木などを受け止めます。
地すべりやがけ崩れに対しても、斜面を安定させたり、崩れた土砂を受け止めたりするための施設が整備されています。
このように、土砂災害の種類や場所に合わせて、さまざまな施設を整備し、被害を減らす対策が行われています。
このような施設による対策があっても、土砂災害を完全になくすことはできません。
そこで重要になるのが、もう一つの「ソフト面の対策」です。
土砂災害へのソフト対策
ソフト対策とは、ハザードマップや気象情報などを活用して、土砂災害の危険がある場所や状況を知り、早めの避難につなげる取り組みです。
過去の土砂災害では、避難に関する情報が出されていたにもかかわらず、避難した人が少なかった事例があります。
国土交通省が過去の土砂災害について行ったアンケートでも、避難しなかった理由として「自宅が安全だと思った」などが挙げられる一方、避難した理由として「周囲の状況の変化」や「避難情報」「周囲からの呼びかけ」などが挙げられています。
では、ソフト対策では何をすればよいのでしょうか?
まず大切なのは、「どこが危ないのか?」を知っておくことです。
ハザードマップなどを使って、自宅や職場など、自分が普段過ごす場所に土砂災害の危険がないかを事前に確認しておきましょう。
そして、もう一つ大切なのが、「いつ危ないのか?」を知ることです。
大雨のときは、雨の量や降り方、土砂災害の危険度、気象情報などを確認しながら、危険が高まる前に行動することが重要です。
ただし、土砂災害がいつ、どこで発生するのかを正確に予測することは簡単ではありません。
だからこそ、「まだ大丈夫」と思ってからではなく、危険が高まる前に避難することが大切です。
また、土砂災害の前兆と思われる異変に気づいた場合は、前兆がはっきりするまで待つのではなく、すぐに安全な場所へ避難することが重要です。
土砂災害を完全に防ぐことはできませんが、砂防堰堤などのハード対策と、情報を活用して早めに行動するソフト対策によって、被害を減らすことはできます。
だからこそ、普段から自分がいる場所の危険性を知り、大雨のときには気象情報などを確認しておくことが大切です。
そして、土砂災害の前兆に気づいた場合は、前兆がはっきりするまで待つのではなく、すぐに安全な場所へ避難しましょう。
「まだ大丈夫」と思っているうちに、早めに行動する。
それが、土砂災害から身を守るための大切な備えの一つです。

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